炎天下や猛暑の中で仕事をする方や、アウトドアで暑さを凌ぐ必要がある人にとって、今や必需品なのが空調服ですね。服生地に電動ファン(羽)が取り付けられて服の内部に風を送り込むため、暑い場所でも快適に、熱中症リスクを下げて活動することができる優れもの。
複数のメーカーが販売している中でも「カッコイイ」「オシャレ」で大人気の、バートル「エアークラフト」に使用するバッテリーについて解説します。
『雨の日でも大活躍!バートルの空調服が信頼される理由に迫ります!』
「暑さ」に対抗する空調服。ちなみにこの「空調服」という呼び方は、生みの親である株式会社セフト研究所の「株式会社空調服」のみが使えるネーミングです。ですからバートルでは同様の機能を持つウェアを「エアークラフト」という名前で販売しています。
他社でもやはり独自の名前や、ファン付き作業服といった表現をしています。このファンに電力を供給するために必要なのがバッテリーですが、メーカーによって電圧も稼働時間も、重さも違います。バッテリーは、「一番長く電池がもてばいい」「とにかく軽ければいい」と考えてしまうと、「電池のもちは良いけど風力が弱い」「軽いけれども作業時間内に電池が切れてしまう」というように作業効率を大きく左右してしまいます。
では実際に、バートルのバッテリーのスペックはどのようなものでしょうか。
バッテリー容量は大容量の15900mAh、充電時間は7時間、重量は303g。スマートフォンが2cmの厚さになった程度の大きさ、重さはりんご一個くらいで、パワーは最高13Vと業界最強クラスです。
出力は13V・10V・8V・6Vの4段階の切り替えができます。13V使用時の風量は1時間ですが、その後10Vへ自動で切り替わり、5時間稼働します。フル充電時から10Vで使用した時の稼働時間は7時間、8Vでは12時間、6Vでは24時間です。
表面にバッテリー残量が5段階で表示されるため、状況に応じて切り替えて使用可能です。13Vで出力した場合、1秒間に70リットルという風が送り込まれるので、強い風が欲しい時はたいへん重宝します。10Vに切り替わってからも1秒間59リットルの風が維持されるので、フラストレーションを感じながら弱々しい風で我慢する、ということが無いのが人気を呼んでいます。
バートルのエアークラフトはデザインだけではなく、このバッテリーによって涼しさの要である「風の質」も追いついているからこそ、スタイリッシュでカッコイイ、そして「快適な」作業服として男女ともに人気が衰えていません。
バッテリー、ファンともに、同メーカー(バートル)内での互換性はあるので、バッテリーだけ最新にしてファンは以前のままということも可能です。ですが、性能が上がった新バッテリーと、旧ファンを合わせても最大パワーは発揮できません。
逆の場合も同じく、低いスペックの方に合った出力となってしまうのでもったいないですね。最大値のパワーと快適さを求めるならば、同時期モデルの組合せで使用したほうが、機械にも人間にもストレスがありません。また、ファンとバッテリーは他社と混合せず、同メーカーで統一しましょう。
メーカー毎に電圧が違うので、事故を起こす可能性があります。安全第一です。
2020年モデルのバッテリーと2021年新型モデルのバッテリースペックを比較した場合、同じ10Vでも風力が違って強くなっています。
6Vが風量33ℓ(リットル)から37ℓへ、8Vが風量43ℓから48ℓへ、10Vが風量54ℓから59ℓへと、同じ出力なのに風量が格段に上がっています。また、ファンの羽も変更が施されました。2020年モデルは羽6枚に対し、2021年モデルは5枚に変わっていますが、羽を大きくして空気を呼び込みやすくなっています。
服の中へ送り込まれる風の強さが増せば、汗を気化する力が違ってきます。とにかく涼を求める炎天下や蒸し暑い屋内での体感は、まったく違うものとなるでしょう。2021年の新バッテリーは、握りやすいように指が沿う、緩やかな波型が刻まれました。
作業手袋をはめた手や、色々な場面で手にフィットして落としにくいのも、うれしいですね。
エアークラフトのバッテリーはリチウムイオン電池です。劣化の原因として、充電を繰り返すサイクル劣化と、保存劣化が挙げられます。携帯電話と同じで、自己放電といって放置しておくだけで電気は消耗していきます。電池残量が0%の過放電状態になると電池の劣化が進んでしまい、結果として電池の容量が減り、寿命が縮まってしまいます。
バッテリーは充電回数およそ500回で寿命がくると言われていますが、不要に劣化させず長持ちをさせるには、使わない季節などバッテリーを長期保管するときに、残量0%にならないように30%程度を残しておきましょう。
逆に充電満タンにしてしまうと高い電圧が保たれてしまうため、やはり電池の劣化を呼びます。満タンにせず保管し、時々は電池残量を確認して30~50%に充電してあげると、過放電や劣化の促進を避けられます。電池が劣化する化学反応を鈍化させるために低温保管が望ましいとは言いますが、保管に冷蔵庫を使うのは避けた方が無難です。
冷蔵庫は開け閉めが頻繁なので、温度差から結露を招いてサビる可能性があります。実際にバッテリーを使用する時になって冷蔵庫から出した場合も、冷たくなった金属が常温に出るので結露します。バッテリーは他のパーツに比べると値段が張りますので、常温で保管し、長く使えるようにしてあげましょう。
バートルと同じく広島県府中市に本社を構え、電動工具で有名な「リョービ株式会社(RYOBI)」。かつて、やはりファン付きウェアの開発をしていましたが、ウェアデザイン面が弱かったために有望な作業服メーカーを探したところ、カッコイイ作業服で評判のバートル本社が同市内に存在していることが分かりタッグが実現しました。
現在はバッテリー及びファン部分は、リョービと京セラの共同出資「京セラインダストリアルツールズ」製となり、信頼できるブランドものとして消費者から人気を得ています。
空調服は、いかに快適に作業を行えるか、暑さから体を守れるかが重要です。服のデザインはもちろんですが、そのバッテリーが自分に合うのか?も、とても大切です。性能はいいけど自分には重くて肩が凝るな、など個人差があります。
バートルのエアークラフトを選ぶか悩んだら、ぜひ参考にしてみてください。暑さのなかの仕事やアクティビティによる体のダメージを軽減して、健やかに毎日を送れますように。